妊娠中の風邪…薬は飲んでいいの?
妊娠中に風邪をひいてしまったとき、「薬を飲んでも赤ちゃんに影響はないかな?」「病院に行くほどじゃないけどつらい…」と悩む妊婦さんは少なくありません。
この記事では、薬剤師の視点から
妊婦さんが使える風邪薬の成分や注意点、薬に頼らない対処法まで、やさしく解説します。
妊娠中は風邪をひきやすい?
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や免疫機能の調整により、体が感染症に対して敏感になります。
- 風邪をひきやすい
- 症状が長引きやすい
- 解熱鎮痛薬などの選択肢が限られる
そのため、「できるだけ薬を避けながら対処したい」という考え方が基本になります。
薬剤師が解説!妊娠中に比較的安全な風邪薬成分とは?
妊婦さんが自己判断で薬を使うのは避けたいところですが、成分によっては比較的安全に使えるものもあります。
✅ 比較的安全とされる主な成分(※医師・薬剤師に相談の上で)
症状 | 成分 | 解説 |
---|---|---|
熱・頭痛 | アセトアミノフェン | 解熱・鎮痛効果あり。妊婦でも比較的安全 |
咳 | トラネキサム酸 | のどの炎症を抑える作用あり(※医師確認推奨) |
くしゃみ・鼻水 | クロルフェニラミン | 抗ヒスタミン薬の中では使用実績あり(眠気注意) |
🔸 市販薬を使用する場合は、**「妊娠中に使用可能な記載があるもの」**を選ぶのが原則です。
❌ 基本的に避けたい成分
- NSAIDs(イブプロフェン・ロキソプロフェンなど)
→ 妊娠後期は特にNG(胎児への影響あり) - 漢方薬でも注意が必要なものあり(麻黄など)
→ 自己判断せず、医師や薬剤師に確認を
薬以外でできる風邪対策・症状緩和法(セルフケア)
妊娠中の体に負担をかけずにできる、風邪のセルフケアも大切です。
🌿 妊婦さん向けセルフケア法
- こまめな水分補給(白湯・ハーブティーなど)
- 栄養のある食事(消化が良く温かいものがおすすめ)
- 体を冷やさない(首・足首・お腹を特に)
- 加湿・換気を意識(乾燥対策)
- 睡眠・休養をしっかりとる
おすすめの妊婦さん向け市販薬(例)
※使用前に必ず医師・薬剤師に相談しましょう。
商品名 | 成分 | 特徴 |
---|---|---|
タイレノールA | アセトアミノフェン | 解熱・鎮痛成分として使用実績あり。妊娠中も比較的安全 |
ルルアタックNX(一部製品) | クロルフェニラミンなど | 鼻水・くしゃみに対応(成分をよく確認) |
龍角散ダイレクト | 生薬成分(咳・のど対策) | のどがつらい時の緩和に。医薬品ではないが注意書きは確認を |
病院へ相談すべきタイミング
- 熱が38.5℃以上続く
- 咳やのどの痛みが強い・長引く
- 食事・水分がとれない
- 下腹部痛やお腹の張りがある
💡 「少しでも不安に感じたら病院に相談する」ことが一番の安心につながります。
まとめ
妊娠中に風邪をひくと、薬の選択に迷うことが多いですが、
正しい知識と対応を知っていれば、安全に乗り切ることができます。
- アセトアミノフェンなど比較的安全な成分を選ぶ
- セルフケアや休養をしっかり行う
- 自己判断せず医師や薬剤師に相談する
妊娠中の体調管理は、赤ちゃんへの思いやりでもあり、自分自身を大切にすることでもあります。
📝 次回予告:
「妊婦さんの睡眠を助けるリラックス法とおすすめアイテム」
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